看護部長挨拶
本院は、創立当初から地域に根ざした医療・看護に主眼を置き、地域の皆様と病院を繋ぐ架け橋ともいえる「患者サポートセンター」を病院正面に設置し、昨年は外来(入院前)から患者さんの入退院を支援するPFM(Patient Flow Management)も開始致しました。今後も地域の開業医の先生方と連携しながら、急性期医療の充実に努める一方で、少子超高齢社会という地域のニーズを踏まえ、在宅医療関連施設の方々と連携を図って参りたいと考えております。
看護体制においては看護部理念である「思いやりのある看護」実践をより着実に行うため「セル看護提供方式(従来ステーションで行っていた記録等の業務を患者さんの“そば”で気配を感じながら行うことで、可能な限り速やかな対応ができる体制)」へ変更しました。引き続き、患者さんにとっての価値の最大化を目指していきます。また、卒後教育ではキャリア開発ラダーをベースに、e-ラーニングでの研修や動画による看護技術指導などを取り入れることで、スタッフ個人のペースに応じた学びを支援しております。今後も地域に必要とされる病院を目指し、職員一丸となって地域貢献に努めていきたいと考えております。
看護単位 | 7単位 病棟4単位(急性期一般3、地域包括ケア1) 外来3単位(外来、手術室、透析センター) |
看護配置 | 急性期一般入院料1(7対1) 地域包括ケア病棟入院料2(13対1) |
看護方式 | セル看護提供方式 |
勤務体制 | 変則2交代制 |
令和4年度 看護部目標 「標準化」
1.看護サービスの向上
1)セル看護提供方式の標準化
2)認知症・高齢者の対応力向上
3)専門性の高い看護師育成と活用
4)ジェネラリスト育成
5)患者満足度の向上
2.働きやすく、働きがいのある職場環境の構築
1)メンタルヘルス対策
2)看護職と看護助手のタスクシフト・シェアの促進
3)適正な勤務評定の体制づくり
3.院内連携・院外連携の強化
1)多職種との新たな診療チーム等の構築・実践
2)他施設との新たな連携体制の構築・実践
4.「思いやりのある看護」実践の個人・部署(リフレクション含む)の取り組み
「認定看護師」とは、日本看護協会の認定審査に合格し、ある特定分野において熟練した看護技術と知識を有した看護師のことです。
当院には、感染管理認定看護師、糖尿病看護認定看護師、緩和ケア認定看護師、皮膚・排泄ケア認定看護師、認知症看護認定看護師、摂食嚥下障害看護認定看護師が在籍しており、実践・指導・相談を通して質の高いケアを行います。
専門的知識と技術を活かして患者様、来院者、職員を感染から守り、安全な病院環境を整えるため、組織横断的に活動しています。活動としては、定期的に院内ラウンド、職員への感染防止教育、感染症患者発生時の対応全般、さらに、感染対策マニュアル等の作成と改正を行っています。また、地域の企業等からの感染防止への講師依頼にも対応し、手洗い実習を含む研修会を開催しています。
常に最新の情報を得ながら感染防止に努め、質の高い安全な医療の提供を目指しています。
感染管理認定看護師は、患者さまはもとより、ご家族、職員、病院へ訪問される方々を感染から守る役割を担う看護師です。そのため、患者さまを院内感染による身 体的・精神的苦痛から守り、職員が安全に働けるよう、病院環境を整えることを第一に、組織横断的に活動しています。特に結核・麻疹、インフルエンザや多剤 耐性菌、ノロウイルス等院内感染が発生しないように常に注意し、外来・入院患者情報から適切な対策を現場で実践できるよう支援しています。
大切なことは「もらわない、うつさない、ひろげない」ことです。最も有効な実践は手洗いと環境整備です。感染症で心配なことやお困りのことがありましたら、気軽に声をかけて下さい。
糖尿病看護認定看護師
国際糖尿病連合が発表した「Diabetes Atlas 2012 update」によると、日本の成人(20~79歳)における糖尿病人口は約710万7,700人で、2020年には糖尿病の増加は止まらず、1,000 万人を超えると言われています。糖尿病を持ちながら生活する方の療養行動を継続される大変さや苦労を理解し、その人らしく健やかな生活を継続できるように 生涯続く自己管理や療養生活を支援することが糖尿病看護認定看護師の使命です。
私は糖尿病看護認定看護師として、病棟に勤務し活動していま す。
院内での主な活動は、入院中の糖尿病患者さまのケアや透析センターでの透析患者さまの足のケア、外来通院中の糖尿病患者さまの療養相談(毎週木・金曜日:午前8:30~午後4:30、第1・3土曜日:午前8:30~午後0:30)、合併症である腎症の進行を予防するための糖尿病透析指導等を行っております。
自分自身の専門的知識や技術を最大限発揮して、患者様の自己管理能力を引き出し、糖尿病とうまく付き合っていくお手伝いをしていき たいと思っています。
外来の療養相談室にて医師の診察とは別に30分以上の時間を設け、個別にゆっくりとお話を伺っております。
医師の診察日(木、金、第1・3土曜日に限る)に合わせてご相談を受けることもできますのでご希望の方は担当医にお申し出下さい。
緩和ケア認定看護師
「緩和ケア認定看護師」の役割は、チーム間の連携をはかりながら窓口となり、患者さまが自分らしく生活していけるよう支えることだと考えております。
その為に、患者さまやご家族とたくさん話をして、お互いを理解し合い、必要な情報をお伝えし、相談しながら一緒に考えていくことを大切にしています。
医師、看護師をはじめとする多職種の医療従事者がチームを組み、お互いの専門性を発揮し、緊密に連携しながら治療やケアを行っていきます。
チームの中心は「患者さま」「ご家族」です。
どうぞ一人で悩まず、まずはご相談ください。
当院に受診される患者さま、ご家族が対象となります。
相談内容
痛みやだるさ、吐き気、息苦しさ、食欲低下など、お体に辛い症状や、不安や孤独感などの心の辛さの緩和。
患者さまやご家族が思いを語る場の提供。
療養先の選択に関する相談。
自宅療養に関する相談。
*当院受診中の患者さまやご家族を対象に、主治医と連絡をとりながら、緩和ケア認定看護師相談を、月曜日・水曜日の午前中に、予約制で行っています。
皮膚・排泄ケア認定看護師
皮膚・排泄ケア認定看護師とは、褥瘡(床ずれ)や怪我などの創傷ケアとストーマ(人工肛門)・失禁など排泄に伴って生じる皮膚トラブルに対し、皮膚の健康を回復させるために、専門的な知識や技術を用いて実践していく看護師です。
毎週月曜日に褥瘡対策委員のメンバーと共に褥瘡回診を実施し、患者さまの状況に合わせたマットレスやクッションを選択し、褥瘡を予防するための対策を行っております。
また、排泄に関することとしては、他人に知られたくないとの思いから、ケアの方法がわからずにお一人で悩んでいるという方も大勢いらっしゃると思います。患者さまの快適な生活が送れますよう、医師や他職種と連携し、相談しやすい環境づくりを目指しております。
ストーマ外来開設について
日 時:毎月:第3水曜日、第3木曜日
午後2時~午後3時の間
「完全予約制」事前にご予約ください。
対 象:当院においてストーマ手術を受けられた患者さま、および当院外来通院中の患者さま
1人30分程度の時間を設けて個別にゆっくりとお話をうかがいながら、ライフスタイルに合わせたセルフケア方法の習得や社会復帰へのお手伝いを行っていきたいと思います。
皮膚・排泄ケア認定看護師を習得しました。
患者様、ご家族のお力になれるよう笑顔でサポートさせていただきます。
認知症看護認定看護師
厚生労働省は2025年の認知症高齢者は、現状の1.5倍となる700万人を超えるとの推計を発表しています。65歳以上の高齢者のうち、5人に1人が認知症になる計算になり、誰もがなりうる身近な病気になりました。今後、病気やけがで入院される認知症高齢者の方が増えることが予測されます。
認知症看護認定看護師の役割は、認知症の方の意思を尊重し、安心で安全な療養環境を調整すること、行動心理症状(BPSD)を悪化させる要因・誘因に働きかけ、予防と緩和をすることです。
認知症を持つ患者さまが入院するということは、患者さまにとって、住み慣れた環境や家族やなじみのある人と離れて過ごさなければなりません。不安や緊張のなか症状による苦痛や不快感を言葉で伝えることが困難なことがあり、必要な検査や点滴などを受けなければならないといった理解をすることに、時間がかかることがあります。認知症の患者さまが、安心して安全に治療が受けられ、穏やかに療養生活が過ごせるよう院内で勉強会を行い、認知症に関する知識を伝えています。また、院内ラウンドを行い、病棟スタッフと情報共有をしながら、症状やケアに関する相談に対応し共に考え患者さまやその家族へ支援をさせて頂いています。
そして、認知症疾患医療センターのスタッフや医療連携室、医療スタッフなどの多職種と協働し、家族のサポートやケアサービスの促進が担えるよう活動して行きたいと思います。
認知症の患者さまが、安心して安全に治療が受けられ、穏やかに療養生活が過ごせるよう認知症看護の質の向上に努めております。
摂食嚥下障害看護認定看護師
摂食嚥下障害看護認定看護師は摂食嚥下障害のある患者さまとご家族さまに食事についての支援を致します。
食事は生命を維持する為に欠かせない行為であると共に、人生の大きな楽しみのひとつといえます。
その楽しみでもある食事を安全に食べて頂くために、栄養状態、口腔内環境、食事をとるために起こるリスクを予測し、予防を行い、「楽しく」「おいしく」食事がとれるように支援いたします。
病棟スタッフと情報共有をおこない、院内NST(栄養サポートチーム)に所属し、多職種で協働し、多くの知識を持ち寄り患者さまの希望に添えるように致します。
「特定行為看護師紹介」
看護師特定行為研修終了後の活動について
高齢化が進展し、また医療の高度化・複雑化が進む中で、質が高く安全な医療を提供するため、チーム医療の推進が必要です。医療資源が限られる中で、それぞれの医療従事者が高い専門性を発揮しつつ、互いに連携し、患者さんの状態に応じた適切な医療を提供することが求められています。こうした中で、看護師には、患者さんの状態を見極め、必要な医療サービスを適切なタイミングで届けるなど、速やかに対応する役割が期待されています。
特定行為研修を受けた看護師が、患者さんの状態を見極めることで、タイムリーな対応が可能になります。また、患者さんや家族の立場に立ったわかりやすい説明ができ、「治療」と「生活」の両面からの支援の促進に貢献します。
特定行為は、診療の補助であり、看護師が手順書により行う場合には、実践的な理解力、思考力及び判断力並びに高度かつ専門的な知識及び技能が特に必要とされる21区分38行為です。医師が作成した手順書に従い、病状の範囲内で看護師が診療の補助を行います。
看護学生の皆様へ